はじめにスポーツマーケティングにおけるスポンサーシップは、企業がブランド価値を高め、ターゲットオーディエンスにアプローチするための強力な手段です。しかし、その効果を正確に測定し、投資対効果(ROI)を評価することは容易ではありません。本記事では、メディア露出価値を用いたスポンサーシップのROI計算方法を具体的に解説し、データドリブンなアプローチでスポンサーシップ投資の正当性を証明する方法を紹介します。メディア露出価値とは?メディア露出価値とは、スポンサー企業がスポーツチームやイベント、関連メディアなどで得た露出を金銭的に評価したものです。この露出価値は、企業のブランドロゴがテレビ放送やオンラインメディア、ソーシャルメディア、印刷物などでどれだけ視聴者に届いたかを基に算出されます。メディア露出価値の計算方法メディア露出価値の計算は、基本的に広告価値に基づきます。具体的には、テレビ放送やオンライン広告のCPM(Cost Per Mille=1,000回あたりのコスト)やCPC(Cost Per Click=クリックあたりのコスト)を参考に、スポーツイベント中に露出されたロゴやメッセージの視聴者数と掛け合わせて算出します。例えば、あるスポーツイベントの中継で、スポンサーのロゴが100万人に露出した場合、そのCPMが10ドルであれば、メディア露出価値は1万ドルとなります。具体例:欧州サッカーリーグのスポンサーシップ欧州サッカーリーグにおけるスポンサーシップでは、試合中に表示される看板やユニフォームに記載されたロゴが、全世界のテレビ放送やソーシャルメディアで広く露出されます。例えば、UEFAチャンピオンズリーグの試合で、スポンサー企業のロゴが数秒間カメラに映り、それが1億人に視聴された場合、そのメディア露出価値は非常に高額となります。このようなデータを基に、スポンサー企業はその投資がどれだけのリーチを得たかを具体的に把握できます。ROI計算におけるデータドリブンなアプローチスポンサーシップのROIを計算するためには、単にメディア露出価値だけでなく、さまざまなデータを組み合わせて総合的に評価する必要があります。ここでは、ROI計算の具体的なステップと、データドリブンなアプローチを解説します。ROIは基本的に以下の式で計算されます。ROI(%) = 利益 ÷ 投資額 × 100例えば、スポンサーシップ投資が50万ドルで、メディア露出価値として80万ドルの価値を得たとします。この場合、ROIは60%となり、投資に対してプラスのリターンを得たことになります。しかし、実際のROI計算では、売上増加やブランド認知度の向上といった間接的な利益も考慮する必要があります。これには、消費者調査データやソーシャルメディアのエンゲージメント指標など、複数のデータソースを統合することが求められます。おわりにスポーツマーケティングにおけるスポンサーシップのROI計算は、多面的なデータ分析が求められます。メディア露出価値を基にしたROI計算は、スポンサーシップ投資の正当性を証明するための強力な手段ですが、そこに留まらず、売上やブランド認知度の向上といった多角的な評価が重要です。データドリブンなアプローチを取り入れることで、スポンサー企業はより正確なROI評価を行い、投資の最適化を図ることができます。株式会社NextStairsでは、地上波TV、OTT配信、SNS、アナログなマスメディアなどさまざまな媒体での露出状況を調査し定量的にご報告いたします。自社がスポンサーしているチームへの投資効果の測定や、自チームのスポンサー企業への報告、新規スポンサー候補への提案等ご利用ご検討の際はぜひお声掛けください。