【この記事に登場する人】清水雄一(しみず・ゆういち)。株式会社DIFF.代表取締役社長。1988年三重県伊賀市生まれ。2012 年ミズノ入社、研究開発部に配属。サッカーシューズ等の開発担当からキャリアをスタートし、グローバル研究開発部、新規事業プログラムの企画運営を経て、2022年に株式会社DIFF.を創業。-自社で運営中のコミュニティについて教えてください。左右同じサイズの靴を買わなければならないという当たり前を覆す、「新しい価値」を一緒に築いていける人、つながりを求めて立ち上げました。まだ立ち上げたばかりなので具体的な活動はこれからですが、計測会のイベントをお手伝いいただいたり、左右足のサイズが異なる当事者としてワークショップに参加いただいたりを考えています。アンプティサッカー※1の選手にもご参加いただいており、さまざまなバックグラウンドをお持ちの方がいらっしゃるので、多岐に渡る活動を共に進めて行けるのではと期待しています。参加条件はこの活動、思いに賛同いただけることです。ご興味がある方はお声掛けいただきたいです。※1・・・主に上肢又は下肢の切断障がいを持った人々により行われるサッカー-HP上にアスリートの事例掲載がたくさんあります。きっかけはSNSでの募集に対しお問い合わせいただいたケースが多いです。多くのお問い合わせをいただきまして、やはり同じ課題を抱えられたアスリートが多いのだと実感しました。実際にご利用いただき、「新しい感覚だ」とポジティブな反応をいただいています。サッカー選手の方でも左右別サイズの靴を履いたことがない方がほとんどで、靴の中での足のズレが少なく、ボールタッチがしやすい、ダッシュ時に切り返しやすいなどの具体的なお声をいただいています。「もっと早くほしかった」と口にしていただくことも多いです。-現在スポーツシューズはサッカーを中心にした取り扱いですが、他スポーツへの展開は考えていますか?随時広げていきたいと考えています。切り返しが多い、シューズをタイトに履くという特徴があるサッカーを最初のメインターゲットにしています。しかし調査の中で、バスケットボール、バレーボール、卓球、フットサルなどのインドア系スポーツはフロアとシューズとの摩擦が大きく、シューズの中で足が動くシーンが多いとの声も聞いているので需要が高いと捉えています。また、パラスポーツについてはアンプティサッカー中心にこれから展開していきます。実際にパラアスリートの方からご購入いただいた実績もあり、私たちが価値提供できる領域だと考えています。-非アスリートに特化したサービスは考えていますか?コミュニケーションは変えるかもしれませんが、サービスをアスリート向け、非アスリート向けと分ける予定はありません。スポーツをするしないにかかわらず全ての人にとって、足に合った靴を履くことはとても重要です。足は多くの骨が積み重なって作動している複雑な構造をしており、健全に機能するのは50年だと言われています。人生100年時代、なるべく長く健康な足を維持するために足に合った靴を履くことが効果的なのです。歩けなくなる、歩きにくくなるリスクは、認知症他さまざまなリスクにつながるとの話も聞いていて、超高齢社会におけるウェルビーイングを靴から解決することにも貢献していきたいです。当社のサービスは、アスリートや障碍者の方が最初に価値を感じていただきやすいサービスですが、その他多くの方々にも必要性は感じていただけると思っています。-アスリート、スポーツチームに期待することはありますか?まず左右別サイズの靴を使えるという新しい価値を知っていただきたいです。そして、こうした価値の拡散に賛同いただけるアスリート、スポーツチームの方がおられたらご連絡いただきたいです。情報発信やイベント、シューズのご提供などさまざまなかたちで連携し、新たな価値共創に向けた取り組みができればと思っています。<取材・文>佐藤大輔(Spoship編集部)【関連リンク】株式会社DIFF. 公式HP株式会社DIFF.【公式】|片方ずつシューズを買えるサービス「DIFF.」 公式X