【この記事に登場する人】藤田康男(ふじた・やすお)。株式会社Smart相談室 代表取締役・CEO。医療系人材紹介会社にて10年間、複数事業の立ち上げや組織マネジメントに従事した後、2021年2月に株式会社Smart相談室を設立。これまでのマネージメント経験から、従業員のメンタル不調に関して課題感を持ち、独自の視点から、課題に対するソリューション「Smart相談室」を提供中。-今回リリースされた「アスリート応援プロジェクト」について教えてください。法人向けオンライン対人支援サービス「Smart相談室」をアスリートの方に無償提供することで、メンタルヘルスやパフォーマンス向上に貢献したいというプロボノ的な取り組みです。先ほどお話しした、人に気軽に相談できない仕組み、環境というものは、アスリートの方にも当てはまるなと思っていました。強くならないといけない、成績を出さなくてはいけないというプレッシャーの中、日々鍛練されています。悪感情や不安な心を直視できない、応援してもらっている周囲の方に相談しづらいなどの構造があります。彼らの力になりたいと考えこの「アスリート応援プロジェクト」を立ち上げました。-メンタルヘルス向上、パフォーマンス向上どちらを重視していますか?前者も後者も大切です。真剣に競技に向き合うアスリートの方々ですから、競技で活躍していただきたい。我々には技術的なサポートはできませんが、心のサポートによって間接的にパフォーマンス向上に貢献できると考えています。他方で、メンタルヘルスも当然大切です。アスリートの方は一人の人間です。アスリートとしての側面はその方を構成する一つの要素であり、全体のバランスを崩すような負荷のかけ方はその方の人生にとっては良くないことだと思います。-アスリートと一般の方でサポートの方法は異なりますか?基本スタンスは変わりませんが、一般の方に比べ「個」の強さを感じます。勝利という大きな目標と、その目標達成に向けたハードなトレーニングに取り組む強い意志を持つ彼らの特性だと思います。それは強みであると同時に、弱さを見せる、人にさらけ出すことへの心理的ハードルが高いという弱みでもあります。まず開示してもらう、心を開いてもらうまでに一つの障壁があります。また、がまん強いために、限界のぎりぎりまで耐え、相談に来るタイミングが遅いというケースも見られます。心身を追い込むのが常になっているため、痛みにある種鈍感になっているとも言えます。-「アスリート応援プロジェクト」をどのように利用してもらいたいですか?このプロジェクトはタイトル通りアスリートの方を支援したいという思いから、プロボノとして行っています。気になったアスリートの方は気兼ねなくご連絡いただきたいです。※私たちは必ずしも有名選手をサポートしたいわけではありません。頑張っているアスリートの方々をサポートしていき、支援の輪を広げていければと考えています。※アスリートお問い合わせ先:pr@smart-sou.co.jp-「アスリート応援プロジェクト」の将来像を教えてください。まずは実績を重ねていきたいと考えています。アスリートの方からお話を伺う中で気がついたことは、アスリートのメンタルに関する問題は、個人の問題ではなく、部活動やジュニア活動など構造的なものではないかということです。この問題を解決するためには、個人のサポートに留まらず、大きく学校、教育機関、スポーツ団体などにアプローチすべきなのかもしれません。正直まだ正解がわかってないのが現状です。少なくとも、問題の大枠がわかるまでアスリートの方に話を聞き続けていきたいと考えています。<取材・文>佐藤大輔(Spoship編集部)【関連リンク】Smart相談室 公式HP藤田康男 / Smart相談室 CEO 公式X「株式会社Smart相談室、アスリート応援プロジェクトを始動」